施設の概要
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)保有の研究用原子炉 JRR-3(Japan Research Reactor-3)は、熱出力20MW、炉心付近における最大熱中性子束3x1014n/(cm2sec)の我が国最大級の研究用原子炉です。昭和37年に初の国産研究炉として建設され、原子力の黎明期を支える多くの研究に広く活用された後、昭和60年から平成2年までに大規模な改造を行い、照射設備、ビーム実験用設備および冷中性子源装置を有する汎用型研究炉となりました。現在、種々の中性子ビーム実験、原子炉燃料・材料の照射試験、医療用ラジオアイソトープ(RI)や核変換ドーピングによるシリコン半導体の製造などが行われ、基礎研究から産業利用に至る幅広い分野に利用されています。
JRR-3 は、中性子利用の先端的かつ汎用性を持つ施設であり、原子力機構内部の研究者だけでなく、「施設供用制度」のもとで広く研究課題を募集し、外部の多くの方々にご利用頂いています。
JRR-3の特徴
項 目 | 内 容 | |
炉 形 式 | 低濃縮ウラン軽水減速冷却プール型 | |
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最大熱出力 | 20 MW | |
中 性 子 束 | 最大熱中性子束:3×1014 n/cm2・s | |
原子炉炉心 | 構成要素 | 標準燃料 (26体)、制御棒(フォロワ燃料付6本) 照射筒 (5体)、Be反射体(周辺部) |
炉心寸法 | 等価直径 約 60cm、有効高さ 約75cm | |
反射体寸法 | 内径 (0.6m)、外形(2m)、高さ(1.6m) 2重円筒の重水タンク |
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燃 料 要 素 | シリサイド燃料 外形:約 76.2×76.2×1,150mm 濃縮度:約 20wt%、U-235 含有量:472g 燃料板:約 1.27×71×770mm、枚数:21枚/体 フォロワ型 外形:約 64×64×880mm 濃縮度:約 20wt%、U-235 含有量:302g 燃料板:約 1.27×60×770mm、枚数:17枚/体 |
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原子炉プール 主 要 寸 法 |
寸法:高さ 約 8.5m 水深 約8.0m 内径 約4.5m ライニング:ステンレスクラッド鋼 |
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そ の 他 | 冷中性子源装置設置 |
沿革
昭和31年7月27日 |
国産原子炉製作決定 |
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昭和37年9月12日 |
臨界 |
昭和58年3月25日 |
共同利用運転終了 |
昭和60年8月5日 |
改造工事開始 |
平成2年3月22日 |
改造炉臨界 |
平成2年11月5日 |
利用運転開始 |
平成17年10月1日 |
独立行政法人日本原子力研究開発機構へ組織改正 施設供用利用開始 |
平成30年11月 |
新規制基準適合性に係る許可取得 |
令和3年2月 |
運転再開 |
令和3年7月 |
供用運転再開 |