原子核を構成する粒子の一つで、太陽や原子炉の中心部にも密に存在します。 原子力機構における物質・生命科学実験では、原子核反応で生じた高エネルギー中性子を、水や液体水素にあてて冷やした 「低エネルギー中性子」を使用します。
中性子の特長
物を通りぬける能力
電荷をもたない中性粒子なので、物質を通り抜けやすく、壊さずに物質の中の様子を見ることができます。 |
軽元素や同位体も見分ける能力
原子核と相互作用するので、軽元素の検出や同位体の区別ができます。 |
中性子は最小の磁石
最小の磁石なので、磁気を持つ物質による回折を観測することで結晶構造のみならず磁気構造も判ります。 |
原子の並び方を見る
中性子は波の性質も持つので、入射波が原子により散乱されて波紋を作ります。この波紋を観察することで原子の配列が判ります。 |
原子の動きを見る
原子の運動エネルギーと同程度のエネルギーを持つ中性子を使用するので、原子の動きを見ることができます。 |
元素の分析ができる
物質に中性子を照射すると、その物質に固有の放射線が放出されます。この放射線(γ線)を測定することで、元素分析を行うことができます。 |