中性子散乱実験
中性子が物質に当たった時の散乱のされ方を調べることによって、その物質を構成する原子の配列、分子に作用する力と運動状態、材料内部の応力・ひずみ状態などに関する多くの情報が得られます。高温超伝導体、磁性材料、高分子、生体物質など幅広い物質をその研究対象としています。
粉末構造解析
X線回折では測定が難しい材料粉末中の水素やリチウム等の軽元素を含む結晶構造を解析できます。
装置名:高分解能粉末中性子回折装置(HRPD)
残留応力解析
X線では測定が難しい材料の奥深くの内部ひずみを測定して残留応力を解析できます。
装置名:中性子応力測定装置(RESA-1)
積層構造解析
反射測定で材料表面や小角散乱測定で材料内部の高分子や多層膜等の秩序構造の解析ができます。
装置名:集光型偏極中性子超小角散乱装置(SANS-J)、偏極中性子反射率計(SUIREN)、精密中性子光学装置(PNO)
動的挙動解析
三軸分光器を用いて構造解析だけでなく物質中の原子・分子の動的挙動を解析できます。
装置名:三軸型中性子分光器(TAS-1)、高分解能三軸型中性子分光器(TAS-2)、冷中性子三軸型分光器(LTAS)
生体分子構造解析
化学物質からタンパク質まで水素を含めたより詳細な結晶構造の解析ができます。
中性子ラジオグラフィ
中性子ビームの透過により、対象物の像を得る非破壊検査技術です。 X 線では難しい水素や炭素を多く含む物質の観察に有効で、機械部品等の内部構造と動作状況、植物や構造材における水の分布と移動等の研究に活用されています。
装置名:熱中性子ラジオグラフィ装置(TNRF)、冷中性子ラジオグラフィ装置(CNRF)
中性子即発ガンマ線分析
中性子が試料を構成する原子核と核反応した瞬間に放出されるガンマ線(即発ガンマ線)を測定して試料に含まれる元素を高感度に分析する方法です。
装置名:即発γ線分析装置(PGA)
ガンマ線スペクトルの例 |